2019年版 フィリピンの選挙事情

2019年5月現在、フィリピン全土において中間選挙が実施されており、ドゥテルテ大統領を支持する勢力が上院で圧勝したと大変注目を集めていますよね。
今回は、そんな気になる『フィリピンの選挙事情』についてご紹介致します。

フィリピンの中間選挙


フィリピンは大統領の任期が6年なので、大統領選挙は6年毎に実施されます。2019年5月現在行われている選挙は、大統領選挙のちょうど中間(3年毎)に実施される「中間選挙」。ドゥテルテ大統領のこれまでの政権運営を評価する選挙となっており、前回は2016年に大統領選挙が実施されたため、3年後の現在中間選挙が実施されています。
フィリピンの中間選挙では、上院、下院の国会議員と各種自治体首長、自治体議員の選挙が同時に行われます。上院は任期6年なので、中間選挙では定数24の半数にあたる12議席が改選され、任期3年の下院は約300議席、全81州の知事など、1万8000以上の議席を選ぶ選挙となっています。

フィリピンの選挙投票日は「祝日」


フィリピンの選挙投票日は毎年5月の第2月曜日。そのため、2019年は5月13日(月)が選挙投票日でした。13日(月)は日本ではただの平日ですが、フィリピンでは国民が選挙権を正しく遂行できるよう「祝日(スペシャル・ノン・ワーキングデー)」に定められています。選挙権を持つのは、18歳以上のフィリピン人です。
また、フィリピンの選挙は「義務投票制」です。選挙において投票すること、または投票所へ行くことが有権者に対して法律上義務付けられています。(2回不投票を繰り返した場合は投票権が剥奪されます)そのため、任意投票制(投票するか否かは有権者の自由)の日本の投票率は55%前後ですが、フィリピンの投票率は80%を超えているのです。

フィリピンの選挙活動


フィリピンでは、選挙投票日の3ヶ月前である2月から選挙運動が開始されます。
フィリピンの選挙活動はとっても賑やか。選挙カーには巨大スピーカーが搭載されており、ドラム隊がスピーカーの音楽に合わせて演奏しながら街を巡回します。スピーカーから流れる音楽は、その時々に流行している曲。普通に流すのではなく候補者の名前や公約が曲に織り込まれています。また、選挙ポスターは日本のように貼る場所が定められていないので、壁や電柱、道路標識など至るところに貼られます。街頭演説の際、候補者の名前や顔写真が書かれたTシャツが配られるのもフィリピンならではです。

フィリピンの選挙期間中は飲酒禁止


選挙前日と当日は、フィリピンではお酒を飲むことが禁止されます。レストランでの飲酒はもちろんのこと、お店で購入することさえ禁止です。これはフィリピン最高裁が出した条約で、泥酔して選挙投票が出来なかったり、お酒の勢いでの喧嘩や犯罪を防ぐことが目的とされています。この条例は本来有権者であるフィリピン人のみが対象なのですが、アメリカ人などの移民も投票権を持っている場合があり区別が大変なので、観光客も含め、選挙前日と当日(日・月)の2日間は、フィリピン国内での飲酒は禁止されています。